陶芸の歴史

【陶芸の歴史】世界で最も古い焼き物は日本で見つかった?

日本が誇る文化である陶芸。日本では昔から、陶芸のような焼き物と深い関わりがあります。日本では、縄文時代に初めての土器である「縄文土器」が作られ、さらに時代が流れると共に、土器は模様や強度を増すなど、進化を遂げていきました。その後、今ままでは土器しか作られていなかった日本でしたが、陶芸という技術で陶器を作るようになったのです。

そこで今回は陶芸の歴史について紹介します。陶芸の歴史を知りたい方に向けた記事になっていますので、ぜひご一読下さい。

 

1. 世界最古の焼き物は日本にある?

世界各地では、様々な焼き物が発見されています。その中でも日本では推定約1万2000年前に作られたとされる焼き物が見つかっており、世界で最も古い焼き物であるとされているのです。そのため日本は、世界で初めに焼き物を作った国とも言えます。
なお、当時はまだ陶芸ではなく土器と呼ばれる焼き物が主流でした。

 

1-1. 陶芸が始まったのはいつ?

本格的に陶芸が始まったのは飛鳥時代。朝鮮から陶芸を行う上で必要な「ろくろ」が伝わり、そこで作成した陶器を焼き上げる窯が伝わりました。陶芸の技術が伝わったおかげで、土器よりも割れにくくて丈夫な陶器を作ることができるようになったのです。

奈良時代に入ると、中国から三彩陶が伝わることで、陶芸の技術が飛躍的に上がります。元々は、ただ焼くだけの技術しかありませんでした。しかし三彩陶が奈良から伝わると、陶器に色彩文様を加えることができ、日本でも有名な「奈良三彩」が作られるようになりました。

 

1-2. 平安時代ではすでに釉薬が使用されていた

「釉薬」とは、素焼きされた陶磁器の表面に使われる液体です。それを使って焼き上げると、陶磁器がガラス質になり、空気や水を通さなくなるのです。これによって強度が増し、美しい模様や色彩が施されたものが作られるようになりました。

 

1-3. 鎌倉・室町時代で品質の悪い陶芸場所はなくなった

鎌倉・室町時代では、全国に50箇所以上も陶磁器を作成する窯が存在しました。しかし、それらのほとんどは品質が悪い陶磁器を作成していたということもあり、全国で厳選された6つの窯だけが選ばれました。下記では、その6つをまとめました。

 

・瀬戸(愛知県)

・常滑(愛知県)

・備前(岡山県)

・丹波(兵庫県)

・信楽(滋賀県)

・越前(福井県)

 

これら6つの陶芸場所は「六古窯」と呼ばれています。

 

1-4. 桃山時代に焼き物黄金期に入る

桃山時代には、「茶の湯」の流行もあり、陶芸の黄金期を迎えます。これまでは釉薬で色彩や模様を描き、丈夫に作り上げることぐらいしか行われませんでした。しかし桃山時代では窯自体に仕様が変わったり、質感や模様を組み合わせたりと、自由に陶器を作成することができるようになったのです。

 

2. 江戸時代には様々な陶芸品の作成が可能に

陶器のほかに、磁器と呼ばれるものも作ることができるようになった日本。江戸時代よりも前には、陶磁器は庶民が持てるものではありませんでした
しかし江戸時代に入ると、全国でも品質の高い陶磁器を作成することができる窯も増え、技術の向上もあってか陶磁器を大量生産することに成功しました。その結果、庶民である一般家庭でも陶磁器を手に入れることができるようになったのです。

 

3. 現代では誰でも簡単に陶芸ができる

当時は専門の職人さんでしか作成することができなかった陶芸。しかし現在では、誰でも簡単に陶芸体験を行うことができます。全国では陶芸が体験できる教室がたくさんあります。電動ろくろで陶器を形成し、模様をつけ、仕上げの作業までを体験することができるのです。

素人では難易度の高い「乾燥」「焼き上げ」の作業はプロである先生が代わりにやってくれるので、気軽に陶芸を体験することができます。日本古来より続く文化である陶芸。現在では気軽に体験することができるので、これを機に日本の文化に触れてみてはいかがでしょうか。

 

4. まとめ

陶芸の歴史についてご理解いただけましたでしょうか。日本には世界最古である焼き物が発見されており、世界ではじめての焼き物を作ったのではないかとされています。日本で陶芸が始まったのは「飛鳥時代」で、朝鮮から「ろくろ」と「窯」が伝えられました。その後、桃山時代に焼き物黄金期に入り、江戸時代では、一般庶民でも利用できるような陶器が大量生産され、誰でも使えるようになったのです。

現在では気軽に陶芸を体験することができるので、この機会に日本の文化に触れてみてはいかがでしょうか。

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